高校生対象ナルコノン薬物防止教育カリキュラム:非無作為化比較予防試験
要旨
はじめに
毎年の基準研究、未来のモニタリング(Monitoring the Future、MTF)は、過去2年間の統計によると、薬物使用にわずかな減少が見られると評価しているが、合衆国では12‐17歳の若年層のうち推定1,300万人がアルコール、タバコ、その他の薬物に関与しており、その数は1980年代の減少傾向(1992年に止まった)と比べて、年間での数は高く留まっている。
問題の例をいくつか挙げると、未成年の消費者がアルコールに費やした額は1999年には225億米ドル(全体で1,162億ドル)と推定され、12‐17歳の管理処方薬を乱用する数が1992年から2003年の間に212パーセント増という憂慮すべき状況になっている(この研究時期以降さらに悪化している)。2001年には若年者で鎮痛剤を取り始める者が112万4,000人と推定され、これはマリファナの174万1,000人に次ぐものであるなど。
管理処方薬(オキシコンチン、バリウム、リタリンを含む)は、この研究の時点ではアメリカで4番目に乱用されているものであり、マリファナ、アルコール、タバコに次ぐものである。
防止努力がうまく行かなかった場合、その損害は小さなものには留まらない。 2005年には、薬物乱用に対する生涯有病率は、8年生、10年生、12年生でそれぞれ21%、38%、50%である。 薬物を試す生徒全員がその後に問題を抱えるわけではないとも言えるが、2002年のアルコール乱用および中毒に関連した生産性の低下による損失、および医療関係、刑事司法、社会福祉に費やされた額は推定1809億ドルとされている。 多くの若年者にとって、薬物乱用は、成績の低下、不登校、期待度の低下、退学の決意に先立つものである。 実際、生徒がタバコ、アルコール、マリファナ、コカイン、および他の薬物を使用すればするほど、学校での成績は低下し、退学またま進学しないという状況が起こるようである。
ナルコノン・プログラムの究極の目標は、全米麻薬撲滅対策室(ONDCP)および教育省の目標、計画と同様に、社会における薬物乱用の防止と根絶である。 調査によると、青年早期におけるアルコールおよび薬物の使用を防止すること、また摂取の開始を遅らせることにより、青年後期または成人における薬物乱用およびその他の危険行動の減少または防止を可能とする。 しかしながら、この目標に向けて取られるべき方針と戦略については、いまだ多くの議論がある。 過去40年余り、ナルコノンの薬物防止専門家は、既存の防止努力を補完する目的でセミナーを提供してきた。これは教育課程に含まれる教材をさらに解説することで行われた。 2004年にナルコノン・インターナショナルは、宗教色のないナルコノン薬物リハビリテーション方式としてまとめられた、L. ロン ハバードの調査と著作に基づき、高校生向けに8モジュールに及ぶ薬物防止教育カリキュラムを開発した。 プログラム開発者たちは、品質管理作業としてプログラム終了後の生徒からのフィードバックおよび調査結果を分析した。この管理作業はプログラム開始当時から今日まで継続しているが、証拠に基づく実践と防止理論を踏まえ、主要な問題の領域を扱うように、単独で若年層のすべてに使用可能な、高校生向けの薬物防止教育カリキュラムの制作を目的としてなされている。
高校生向けの8モジュールに及ぶナルコノン薬物防止教育カリキュラムは、タバコ、アルコール、大麻および一般的な「ハード・ドラッグ(中毒性の高い違法薬物)」を扱うさまざまな防止策を独自に組み合わせたものである。 健康への動機付け、社会技能、社会的影響力の認識および知識を深める活動は、薬物乱用と薬物中毒の原因面で数々の危険因子、保護因子に対処する。 本研究の狙いは、若年層における薬物使用行動、姿勢および知識を変えることができるのかといった点でプログラムを査定し、ナルコノン薬物防止教育カリキュラムを防止理論に照らして評価することにある。
方法論
サンプルの概要
ナルコノンのスタッフは、ふたつの州から14校を採用した。 学校の大きさ、地域の大きさや一般的な民族性に基づいて、教育実験群と対照群に分けられた。 各校は合計3回の調査にも同意した。これは基準調査の開始時、約1ヵ月後、および6ヵ月後の観察調査である。 ナルコノン薬物防止教育カリキュラムは、基準調査後(教育条件)あるいは最後の6ヵ月後の調査の後(対照条件)に行われた。 カリキュラム提供の忠実度は提供者の報告によって確認された。
保護者の同意を得た後、オクラホマでは対照群の236人と実験群の244人、そしてハワイでは対照群の295人と実験群の220人の参加だった。 生徒には自主的な同意事項と機密性について説明がなされた。 基準調査後、あるチャーター・スクールの参加者26人が、スケジュールの都合でこの研究の参加を中断した。 性別によるグループ、潜在的に興味深い民族別グループ、あるいはリスクの高いグループといった、グループ構成調整のための条件は定められなかった。
研究プロトコルと同意書は、コペルニクス・グループIRB(プロトコルHI001)によって見直され、承認された。 参加者の保護において認可された調査スタッフが、クラス名簿に基づいて各生徒に独自のIDナンバーを指定した。 機密を保持するために、生徒は自分のIDナンバーだけが印刷された標準的なマークシート式の回答用紙を使用した。 名簿とIDナンバーは、各調査の段階で、生徒が同一のIDナンバーになるように使用され、各測定の際に回答の比較が可能となっていた。これは、必要とされる統計的検出力を持つひとつのサンプル抽出法であり、大多数の若者が薬物を使用していない一般的な生徒のグループにある変数を調べた際に、その差異を識別することができる。 回答記入済み用紙は、生徒が各自機密扱いの封筒に入れ、封をし、調査スタッフに返却され、研究責任者へ郵送され、スキャンによるデータ入力、データ管理、統計分析が行われた。
薬物防止に関する教育介入
この研究計画は、各校に、完全な薬物防止教育カリキュラムを受けるといった実験的試みへの参加を求めるものであった。 プロのトレーニングを積んだ提供者が、体系的な提供マニュアルに従い、日々の完了報告を行った。 体系的なナルコノン薬物防止教育カリキュラムの教材は、提供者がその明確な基準に従い、プログラムを忠実に実施する助けとなっている。
結果測定
主な結果測定は、薬物乱用防止センター(CSAP)の「任意プログラムのための参加者の結果測定」を使った「過去30日間の薬物使用」で行われた。これは、CSAPが出資する薬物乱用防止プログラムの結果を評価するためにつくられたものであり、事前調査/事後調査での使用が推薦される。 (フォームOMB No. 0930-0208 有効期限 12/31/2005) 質問は、未来のモニタリング・アンケートからの12の質問を含む、22種類の薬物乱用の頻度に関するものであった。
CSAPの手段で評価した二次的な結果には、薬物使用による害の認識について尋ねる未来のモニタリング・アンケートからの5つの質問、薬物使用に対する姿勢を尋ねる「危険性と防止の要素に関する生徒のアンケート」からの4つの質問を含む、薬物使用に対する危険性の認識、姿勢および決断が含まれた。 個人の行動および信条の変化を算出するのに加え、これらの質問は、州および全国の基準との比較を可能にする。
これに加え、プログラムの開発者は、ナルコノン・プログラムで扱った薬物教育の概念がプログラムを受けている各人によって正しく理解されたかどうか、追跡の時点でどの程度それらの概念を保持しているか、重要なプログラムの概念を生徒が適用できているのかいないのかを評価する目的で、CSAPのアンケートに補足する25の質問を推薦した。 プログラムの開発者による質問は、近接作用を調べるためにつくられており、それらの質問はプログラムの教材の内容を試験することによって示されるそのプログラムの教育能力も調べることができる。同時にプログラムによって得られた技能を適用する生徒の能力(薬物使用に関する生徒の信条を伝達する能力、薬物使用を促す圧力を認識し拒否する能力、決断する能力など、生徒が自己申告した能力)を示すようにつくられている。
統計的分析
非無作為化された実験計画(実験条件および対照条件を課されたグループが同等であると仮定することはできないもの)には中庸の分析が求められる。 この理由から、この研究では初回の薬物使用、および共変量としての生徒数の変化を比較し、基準値からの数値の変化に関して共分散分析(ANCOVA)を用いた。《共変量:結果と「共」に変わる原因と思われる「変量」。性別は要因、年齢は共変量。》
成果
ナルコノン・カリキュラム、構成要素の評価
表1 は、多くの薬物防止プログラムで用いられている主要な構成概念に照らして、8つのカリキュラム・セッションの概要を述べたものである。 対話型カリキュラムは、毒物学、犯罪科学、栄養学、マーケティング、薬理学、その他さまざまな領域からの科学に基づいた多くの情報を伝える。 プログラムの教材は、視聴覚補助教材および明確なレッスン・プランを含んでおり、質の高い管理ツール(セッションごとに匿名で行われる生徒へのアンケート、セッションに関する問題および/または質問を書くための提供者の記録用紙など)と併せて提供される。
提供者のトレーニングでは、効果的なコミュニケーションの重要性を強調すると同時に、生徒が質問でき、個人的な状況について話し合える、そして積極的に参加できる環境をつくることの重要性が強調される。
薬物使用に関するナルコノンの薬物防止教育カリキュラムの効果、まだこのカリキュラムを受け取っていない現場との比較
表4に示されている通り、追跡調査の結果、薬物教育プログラムを受けている生徒たち(対照群ではない)は、ほぼすべてのタイプの薬物使用の減少傾向を示した。 基準値の調査で測定された、集団による薬物使用の行動の類似点を見ると、そのパターンだけでも、薬物防止教育カリキュラムによってもたらされた差異を信頼することができる。
薬物使用の減少の多くが、統計的に有意な変化を示している。 特定の検査によって示された特性は、そのプログラムの有効性を示している。 過去30日間のアルコール、タバコ、マリファナの使用領域は、とりわけ高校生のグループに当てはまる。タバコの使用量に最も大きな成果をもたらしており、噛みタバコと巻きタバコの使用頻度がそれに続く。 マリファナの使用頻度と量も統計的に大きな変化を示した。 アルコールの摂取および酔うことでは、差異に対する意味のある影響はもたらされていない。
「ハード・ドラッグ」の中でもアンフェタミンの使用はこれらの若者の間でいくらか流行していたが、その使用はこのカリキュラムによって著しく減少した。
この薬物教育群と対照群との差異は、授業形式での教育介入(自己申告によって薬物使用のデータが収集され、若者の小さな下位群の中でのみ薬物使用頻度が高くなる)に関する文献と普遍的に一致している。
薬物または薬物使用についての危険性および姿勢に対する認識へのナルコノン薬物防止教育カリキュラムの影響、まだこのカリキュラムを受け取っていない現場との比較
プログラム参加6ヵ月後(基準値の差異を比較すると)、薬物防止教育プログラムを受けた実験群に比べ、対照群にはタバコを吸うというより強い決意が見られるだけでなく、追跡調査後1年以内に酔っぱらうほどアルコールを飲むつもりだという非常に高い傾向が見られた。 比較において、薬物教育を受けた実験群は、対照群よりも薬物を取らない生活への意欲をより強く示した。
6ヵ月後の追跡調査では、害をもたらす危険性を評価する5つの質問のうち、4つが統計的に重要であった。 薬物教育群の生徒が「人がマリファナを1、2回または定期的に吸った場合、(身体的またはその他の形で)自分に与える害の危険性はどの程度のものか」という質問をされた際、より多くの生徒がその甚大な危険性を指摘した。 このような姿勢はさらに、薬物防止教育プログラムを受けた若者たちが薬物は悪いという姿勢になるという形で、提供者が提案した質問にも反映された。
ナルコノンの薬物防止教育カリキュラムで扱われている教材の内容の吸収力、まだこのカリキュラムを受け取っていない現場との吸収力の比較
表9に示されているように、薬物防止教育プログラムを受けた6ヵ月後(基準値の差異を比較すると)、薬物防止教育を受けた生徒の相当数が、19の項目すべてに対してプログラムの内容に一致した回答を導き出すことができた。 興味深いこととして、薬物防止教育プログラムに参加した生徒は、アルコールがひとつの薬物であり、薬物乱用には合法薬物や違法薬物の両方が含まれるという理解を改めて深めた。 開始時の基準値では、栄養状態に対する薬物使用の影響に対しては、ほとんどの生徒の認識は低いものであったが、これはプログラムによって修正された。
カリキュラムはまた、マリファナに関する一般的な誤解も正した。その誤解とは、マリファナは自生するものであり、それに含まれる化学物質には害はないというものであった。 生徒はさらに、薬物使用の社会的な影響の主要な源がメディア広告であることを正確に認識した。 これらの質問の多くに対する回答は、薬物防止教育カリキュラムを受けた生徒が、心および身体に対する薬物の広範な影響に関してより深い理解を得たことを示した。
生徒の決意と振舞いを評価する6つの質問のうち、3つは有意な変化をもたらした。 薬物防止プログラムの実験群の生徒は、薬物に関する決定を下す知識が十分にあることを示す傾向が高かった。 興味深いことに、過去の圧力に対する抵抗力を評価する質問には、どの時点においても実験群、対照群のいずれも同様な回答を示していたにもかかわらず、薬物防止プログラムの参加者は、薬物を取らせようとする圧力に抵抗する、という現時点でのより強い意志を示した。 また、「薬物はそれほど悪いものではない」という発言が「偽り」であることを示した生徒の数に大きな変化があった。
討論
この研究の目的は、ナルコノンの薬物防止教育プログラムが一般的な(どの生徒にも当てはまる)授業形式の設定において、どの程度生徒たちの薬物使用の行動に長期的な影響をもたらすことができるのかを評価することにあった。 薬物使用のパターンに関する基礎調査の回答は、大規模な全国調査で見られるものと似ていた。 薬物防止カリキュラムを受けて6ヵ月を経過した時点で(薬物使用に関する予備調査レベルを比較すると)、薬物教育群の生徒の現行の薬物使用レベルは比較対照群の生徒よりも減少していることを示していた。 規制処方薬、コカイン、エクスタシーを含む各種「ハード・ドラッグ」の特定のカテゴリーと同様、このグループ層において重要な薬物乱用の分類であるアルコール、タバコ、マリファナの大幅な使用減少が観察された。 表4にある結果は、薬物使用の減少をもたらすための薬物防止教育プログラムで試されたすべてカテゴリーにおいて、明確かつ信頼できる傾向を示している。
授業形式での教育介入の実施という通常の条件で行われるナルコノン・プログラムに対するテストが、「実社会」に通用するか否かを評価するためにつくられたことを考えると、この結果は希望を与えるものである。 学期中に実施されるプログラムと評価(自己申告の質問票を用いたプログラムの有効性の評価も含む)には固有の障壁があり、薬物教育群と対照群との間に、わずかではあるが、比較的大きなエラーの可能性を伴う測定可能な差異が生じる。
CSAPアンケートの方法論では薬物使用減少の可能性を数値で示すことはないが、それはこの評価の目指すところではない。 重要なことに、基準値において薬物を使用していない生徒が大半だったため、乱用の可能性の高い生徒のグループを選択するのではなく、一般の人々に対して検査を行うことで、各カテゴリーでの生徒の反応における数値的な差異は小さなものに留まった。
仮定(薬物防止教育プログラムは姿勢と信条に変化をもたらす)の正誤を調べるCSAPの質問結果は、薬物使用に対する影響を明らかに示している。 興味深いことに、全般的に既存の情報にある程度慣れ親しんでいたことが示されてはいたが、新しい知識が得られたか、およびその知識が長期にわたって保持されたかを判断するための質問から、統計的に極めて有意な変化がもたらされた。
第一に、教育戦略(薬物乱用治療センターの分類)において、ナルコノンのプログラムには防止に関する主要な理論に沿ったアプローチが含まれている。 カリキュラム全体を通して、各要素を伝える手段としての説得力あるコミュニケーションが強調されている。 生徒同士の交流、放課後の個々の生徒によるメディア調査および他の環境への影響調査を通じて、社会的な影響を扱う個人の能力向上が達成される。 科学的な情報が提示され、生徒たちは、さまざまな情報源から提示されたメッセージの正誤を判断する能力を発達させるための実践を完了させる。
知識の重要性に関して、初期のさまざまな防止プログラムでは(個人が自分の益のために自ら薬物使用を減らし、避けるであろうという想定のもとに)アルコールおよびその他の薬物の有害な影響に関する事実が与えられるが、このような包括的な情報のみの研究、あるいは意識向上のパターンの研究によって、防止の領域において広く同意されたひとつの事実が導かれた。それは以下の通りである。大多数の個人にとって、健康に関する情報を受動的に受け入れ、それが単に意識に上る程度では、現在または将来における薬物使用に対する行動を変えるには不十分なものである。
当初からナルコノンの薬物防止トレーニングの教材には情報の正しい伝達と、その伝達者との交流が強調されている。 提供者のトレーニングも、マクガイア氏が説明している、5つの要素を持つ、説得力のあるコミュニケーションの型に沿っている。 この理論によると、有能な教育者であるためには、視聴者の注意を引かなくてはならず、理解され得なくてはならず、メッセージの受け手に受け入れられるものでなくてはならず、その受け入れは、適切な状況で行動に示されるように、長期にわたって受け入れられなくてはならない。 正しい答えを選び出す能力のテストを行って初めて、知覚されたその情報の価値および有用性に関する質問への答えが得られる。
その目的のために、説得力のあるコミュニケーションおよびマルチ・メディア・プログラムの構成要素を提供者のトレーニングに組み込むことが示唆される。 理論的には、薬物の性質および影響に関する科学的な情報を伝えることは、生徒に薬物に対する判断力と意識を発達させるのに役立つが、それはメッセージが若者にとって非常に現実的であり、かつ重要であると捉えさせ、理解できるような形で伝えられた場合に限られる。 感情的な反応(例:喜び、充足感)を含む生徒の満足度の測定は、さらなる調査が必要である。それは、正誤で答えるような質問では判断できない情報に対しては、彼らの知覚に大きな変化が起こる可能性があるためである。
結び
8つのステップから成る集中的な教育カリキュラムであるナルコノン・プログラムは、完全な基礎理論と薬物中毒の病因論に基づき、いくつかの歴史的にも成果の見られた重要な予防の要素を取り入れている。
これは、教室で行われるこのプログラムの参加者が、薬物乱用に関する行動パターンを変化させるという予測を支持している。 また、強力な組織構造を持つナルコノン・ネットワークは、継続可能かつ信頼性の高いプログラムの実施を促進している。
この評価の際に、ナルコノンの薬物防止教育カリキュラムは、薬物防止教育プログラム終了の6ヵ月後、検査されたカテゴリーのすべてにおいて薬物使用の確実な減少をもたらした。 3分の1の質問(若者の間で最も多く乱用されている薬物、「ハード・ドラッグ」はもちろん、アルコール、タバコ、マリファナを評価する質問)では、薬物使用に関する有意な減少が見られる。 薬物使用の減少がアンフェタミンと非処方アンフェタミンの両方に見られることは、これらの薬物の入手や摂取がより容易になることを考慮すると重要な意味がある。 薬物乱用行為において測定される薬物使用の減少は、ナルコノンの薬物防止教育カリキュラムへの信頼性が妥当なものであることを裏付けている。
薬物使用の減少を可能にするこのプログラムは、一般に広まっている間違った情報を正し、若者に観察する力を与えることで、彼らを自らの結論へと導き、場合によっては彼らは人間関係の技能を向上させ、グループ全体の水準を引き上げることを促すようである。 このような変化は、危険性の認識をもたらし、個人およびグループの一員として、それぞれの姿勢の矯正につながる可能性がある。 しかしながら、この仮説を検証するためには、緻密な手段と分析を用いて、さらに調査が行われるべきである。 CSAPの質問は広範にわたる開発過程を経てはいるが、とりわけこのプログラムの理論構造を考慮した場合、薬物防止プログラムの効果的な側面を特定するには、さらなる方法論が必要になるであろう。
高校生に対するナルコノン薬物防止教育は明らかに肯定的な結果を生み、節制という概念を促す、強力で重要なメッセージを届けている。 薬物使用率の大幅な減少、プログラムの教材、その実施の基調となる科学的な内容および社会への影響に関する理論、ナルコノン・インターナショナルによる強力な集中管理を考慮に入れると、このプログラムは非常に有望であり、薬物乱用防止への不可欠な需要に応えるものである。
使用薬物変数 | 対照群 N=420 (平均) |
対照群 N=389 (平均) |
傾向 | 有意水準 自由値=11 |
有意水準 自由値=11 (P値=) |
B1 巻タバコ(頻度) | 1.34 | 1.26 | 改善の傾向 | 3.35 | >0.001 |
B2 噛みタバコ | 1.34 | 1.26 | 改善の傾向 | 3.39 | >0.001 |
B3 巻タバコ(喫煙量) | 1.49 | 1.35 | 改善の傾向 | 3.89 | >0.001 |
B4 アルコール | 1.57 | 1.41 | 改善の傾向 | 1.87 | 0.040 |
B5 酔う | 1.43 | 1.24 | 改善の傾向 | 1.69 | 0.073 |
B6 マリファナ | 1.30 | 1.18 | 改善の傾向 | 2.28 | 0.010 |
B6 マリファナ(量、吸入) | 1.18 | 1.13 | 改善の傾向 | 2.12 | 0.017 |
B8 シンナー吸引 | 1.13 | 1.06 | 改善の傾向 | 0.86 | 0.584 |
B9 LSD | 1.05 | 1.04 | 改善の傾向 | 1.12 | 0.339 |
B10 アンフェタミン | 1.11 | 1.07 | 改善の傾向 | 2.35 | 0.008 |
B11 クラック・コカイン | 1.06 | 1.03 | 改善の傾向 | 0.681 | 0.758 |
B12 コカイン | 1.08 | 1.03 | 改善の傾向 | 0.97 | 0.471 |
B13 精神安定剤 | 1.09 | 1.06 | 改善の傾向 | 0.73 | 0.710 |
B14 バルビツール酸系催眠薬 | 1.10 | 1.05 | 改善の傾向 | 1.07 | 0.380 |
B15 覚せい剤 | 1.07 | 1.04 | 改善の傾向 | 1.12 | 0.273 |
B16 アンフェタミン非処方 | 1.09 | 1.03 | 改善の傾向 | 1.59 | 0.098 |
B17 ヘロイン | 1.04 | 1.03 | 改善の傾向 | 0.327 | 0.980 |
B18 その他の麻薬 | 1.06 | 1.04 | 改善の傾向 | 1.13 | 0.335 |
B19 エクスタシー | 1.05 | 1.03 | 改善の傾向 | 0.97 | 0.475 |
B20 ルーフィ | 1.03 | 1.03 | ゼロ | 1.19 | 0.287 |
B21 GHB | 1.02 | 1.04 | 悪化の傾向 | 2.39 | 0.006 |
B22 スーパーK | 1.02 | 1.02 | ゼロ | 1.96 | 0.030 |
対照 N= 524 (基準値) | 対照 N= 419 (6ヵ月後の追跡調査) | 薬物教育群 N=433 (基準値) | 薬物教育群 N=388 (6ヵ月後の追跡調査) | 有意水準 自由値=11 (F) | 有意水準 自由値=11 (P値=) | ||||
1. 薬物があなたの心に影響を及ぼすのは、それを取っている間だけである。 (偽りだと答えた) | 58.8% | 68.7% | 58.0% | 68.3% | 3.21 | 0.001 | |||
2. アルコールは薬物ではない。 (偽りだと答えた) | 51.3% | 54.9% | 53.3% | 70.9% | 6.03 | 0.001 | |||
3. どの薬物も実際、一種類だけの主要な作用を及ぼすだけであり、留意すべきなのはその作用だけである。 (偽りだと答えた) | 62.2% | 69.0% | 56.4% | 63.9% | 3.77 | 0.001 | |||
4. 薬物乱用とは違法薬物に関するものだけを意味している。 (偽りだと答えた) | 79.0% | 80.4% | 76.7% | 79.1% | 4.24 | 0.001 | |||
5. マリファナは自生の植物であり、そこに含まれる化学物質は人体に大した悪影響はない。 (偽りだと答えた) | 67.9% | 74.2% | 60.5% | 68.8% | 3.53 | 0.001 | |||
6. 若者が薬物を経験する理由のひとつとして、それが映画、テレビ、雑誌で宣伝されていることが挙げられる。 (真実だと答えた) | 57.6% | 61.6% | 47.6% | 64.9% | 4.70 | 0.001 | |||
7. 望むと望まざるとにかかわらず、すべての薬物は身体機能に変化を及ぼす。 (真実だと答えた) | 76.1% | 76.4% | 65.4% | 74.5% | 2.15 | 0.015 | |||
8. 薬物を取ると、以後それを取るたびに常に同じ作用がもたらされる。 (偽りだと答えた) | 48.9% | 57.3% | 47.3% | 56.4% | 3.58 | 0.001 | |||
9. 薬物摂取によって、身体はビタミンとミネラルを消耗する。 (真実だと答えた) | 36.3% | 50.4% | 33.0% | 72.9% | 8.79 | 0.001 | |||
10. 薬物摂取によって、記憶の一部が空白になる可能性がある。 (真実だと答えた) | 75.2% | 80.4% | 66.5% | 79.6% | 5.06 | 0.001 | |||
11. 薬物によって、人は実際にはあることを行っている時に何か別のことを行っていると確信してしまう可能性がある。 (真実だと答えた) | 68.9% | 73.3% | 60.0% | 67.5% | 5.25 | 0.001 | |||
12. 幻覚剤は他の薬物ほど悪いものではない。 (偽りだと答えた) | 50.6% | 57.0% | 42.0% | 59.0% | 2.90 | 0.001 | |||
13. アルコールの広告は21歳以上の人々だけを対象として制作されている。 (偽りだと答えた) | 51.7% | 59.2% | 49.9% | 58.8% | 7.35 | 0.001 | |||
14. 薬物は人の感情を変えることができ、薬物を取るうちに、うつ状態になったり、物事を気にかけなくなる可能性がある。 (真実だと答えた) | 76.5% | 79.5% | 72.3% | 75.8% | 3.23 | 0.001 | |||
15. 薬物を取るのをやめれば、それで終わりである。つまり、それ以上身体や心への影響はない。 (偽りだと答えた) | 76.1% | 77.3% | 68.4% | 70.9% | 2.60 | 0.003 | |||
16. 薬物中毒になるのは、あなたが「ノー」と言えない場合だけである。 | 31.9% | 37.9% | 26.1% | 24.5% | 2.95 | 0.001 | |||
17. すべての薬物は数日で身体から排出されるので、たまに、いくらか薬物を取ったとしても問題はない。 (偽りだと答えた) | 66.4% | 69.5% | 63.0% | 72.9% | 3.53 | 0.001 | |||
18. 自分が薬物に関する正しい情報を得ているかどうか判断する方法を知っている。 (真実だと答えた) | 46.9% | 61.1% | 49.2% | 63.4% | 2.56 | 0.003 | |||
19. 人は幸福になるため、自分の個人的な目標を持つべきだ。 (真実だと答えた) | 60.1% | 68.3% | 52.7% | 69.3% | 3.28 | 0.001 | |||
20. 何かについて自分が考えていることや感じていることを容易にコミュニケートすることができる。 (真実だと答えた) | 63.4% | 70.6% | 56.8% | 65.2% | 1.34 | ns | |||
21. 自分で判断するために、薬物についての十分な知識を得ている。 (真実だと答えた) | 80.0% | 84.2% | 76.9% | 81.7% | 2.77 | 0.002 | |||
22. 薬物を取るように圧力が掛かってもそれに容易に打ち勝つことができる。 (真実だと答えた) | 72.3% | 78.8% | 70.0% | 74.5% | 2.77 | 0.002 | |||
23. 以前、薬物を取るように掛けられた圧力に抵抗した。 (真実だと答えた) | 66.4% | 69.2% | 58.9% | 68.3% | 0.88 | ns | |||
24. 将来、私は薬物を取るかもしれない。 (偽りだと答えた) | 64.9% | 65.9% | 60.7% | 60.8% | 2.74 | 0.002 | |||
25. 薬物はそれほど悪いものではない。 (偽りだと答えた) | 79.4% | 81.6% | 70.9% | 75.0% | 1.91 | 0.035 | |||
• タイプIII平方和の共分散分析を利用し基準値の差異を比較。 |
参照文献:
- Johnston LD, O’Malley PM, Bachman JG, Schulenberg JE: Monitoring the Future national survey results on drug use, 1975–2005. In Secondary school students Volume I. Bethesda, MD: National Institute on Drug Abuse; 2006.
- Office of National Drug Control Policy (ONDCP): Stopping drug use before it starts—education and community action. The national drug control strategy. Washington, DC: Executive Office of the President; 2007.
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